研修の内容が決まったら、どのように実施するかを検討する必要があります。施設の規模、職員構成、ICT環境、受講時間の確保状況などによって最適な方法は異なります。このセクションでは、研修の主な実施方法と、それぞれの選び方のポイントを整理します。
研修実施方法の種類
集合型研修(対面式)
- 特徴:講師による一括指導、実技やグループワークに適している
- メリット:その場で質疑応答やディスカッションが可能
- デメリット:職員全員が同時間に集まる必要があり、日程調整が難しい
オンライン研修(eラーニング)
- 特徴:インターネットを利用し、動画やスライドで個別学習
- メリット:時間・場所を選ばず受講できる/進捗管理がしやすい/繰り返し学習が可能
- デメリット:ICTに不慣れな職員へのサポートが必要
ハイブリッド型研修
- 特徴:オンラインで知識習得+集合で実技やロールプレイ
- メリット:基礎知識は各自学習、集合時には応用力を育成
- デメリット:運用設計に工夫が必要で、導入初期の負担がやや大きい
施設に適した実施方法の選び方
施設の条件 | 推奨される方法 | 理由 |
---|---|---|
中規模以上/複数拠点あり | eラーニング中心 | 時間や場所の制約を超えて全職員に対応できるため |
実技指導や演習が重視される | ハイブリッド型 | 対面での実技・シミュレーションが可能 |
小規模/ICT未導入 | 対面型または簡易なオンライン動画形式 | 個別対応しやすく、環境構築のハードルが低い |
実施体制を整えるためのポイント
- 研修責任者の明確化:計画、進行、評価の中核を担う
- マニュアル・受講ガイドの整備:初めて受講する職員にもわかりやすく
- 受講記録の保存・活用:監査対応や処遇改善加算の算定にも利用
- 職員の意見を反映:アンケート等により内容・形式を改善
外部サービスや教材の活用
- 厚労省・都道府県が提供する無料教材
- eラーニング業者の研修コンテンツ(法定対応型など)
- 専門職能団体による研修動画やハンドブック
費用と効果のバランスを見極め、施設に合った形式を柔軟に選ぶことが重要です。オンライン研修を導入する場合は、記録・進捗確認・修了証発行などの管理機能も重視すべき点です。